偶然なんてないと思えば
いつの頃からか、
たぶんかなりの年月を生きて来たな~と思った時からかも知れない。
自分の身に起こることは、全て「必然」なんだって実感した。
若い頃は、「偶然」しかないんだと思っていた。
良いことも悪いことも、偶然に起こったことだとしか考えなかった。
けれど、半世紀以上を生きて来た今、自分の人生を振り返ったとき、
あれもこれも、偶然なんかじゃない。これは全て必然なんだ。
そう思ったとき、すべてのことに意味があるということも実感した。
20年前のあの出来事は、今日のこのためにあったんだとか、
あの時の言葉は、今自分がこういう目にあった時のために投げかけられたんだ、
なんてことが分かる。
若い頃の私は、生きることは「点」だと思っていた。
その日。その時、その瞬間、今だけ、それしか無いと思っていた。
というより、かなり刹那的に生きていたので、今日さえ生きればそれでいい
なんていう極端なことすら思っていた。
だけれど、今日までなんとか生きて来て、振り返ってみたら、
人生は、点ではなくて、「線」だったのだと気がついた。
繋がっていたんだ。ずっとずっと…
そう思ったときに初めて世の中に偶然なんてなくて、
全ては必然なんだと実感した。そして必然なのだと思ったら、
起こることの全てが、愛おしく感じるようになった。
今の自分にとっての悪い出来事は、10年後の自分にとって必要なことなのかも。
今、自分が舞い上がっている嬉しい出来事は、未来に起こることの警鐘かも。
必然を感じるようになったら、出会いの一つ一つを大切にしようと、
起こることの一つ一つも大切にしようと、そう思うようになった。